ママチャリで多摩湖に行った日、狭山公園でみかけた移動販売ののぼりが気になっていました。気になりつつも、遠くからシャッターを押すだけで食べなかった「東村山アイスクリーム」。どんなアイスだろう? 帰りにコンビニアイスを買うくらいなら、あのとき買って食べればよかったとひたすら後悔…。
撮った写真を拡大すると——
「シャモア洋菓…?」検索すると出てきたのがシャモア洋菓子店 久米川店。問い合わせると「狭山公園の出店は当店です」とのお返事!
『シャモア洋菓子店 久米川店』は東村山市栄町、西武新宿線久米川駅南口のウイング通り沿いにありました。中に入ると、キラキラした宝石箱みたいにケーキが並ぶショーケースに、子どもたちの目は釘付け! 手土産に使えそうな焼き菓子も充実しています。
「都心のお店にもひけをとらない自信があります」と話すシェフパティシエの塩野大介さんは、お父様が東村山市富士見町に『フランス菓子シャモア』1号店をオープンさせた年に生まれ、小学生時代の夢は“お菓子屋さん”。その夢を叶え、都心のお店やホテルでパティシエとして経験を積んだ後、35歳でこの2号店をオープンさせました。
東村山アイスクリームは全50種(各300~330円)。常時35種類ほどが店頭に並びます。どれも北海道産の牛乳、バター、生クリームで作るバニラをベースに、東村山産の野菜やくだもの、地酒を使用して味をつけた自家製。東村山の名産品のブランド「里に八国」認定をうけ、地元のお祭りやイベントへの出店もひっぱりだこだそう。
にんじん、ほうれんそう、かぼちゃなどは、子どもが嫌いな野菜を食べるきっかけを作ってくれそうな予感。地元農家からの提案で取り入れたフェイジョア(南米原産)やポポー(北米原産)などのめずらしいフルーツ、日本酒やワイン、ビールといった大人向けフレーバーもあり、お中元などの贈答品としても人気があるというのもうなずけます。
こんなにいろいろあるのに、結局うちの子たちが選んだのは、バニラとイチゴのソフトクリーム形。どっちがイチゴなのか見分けがつきませんが、ひとくちもらうとイチゴジャムみたいなやさしい味がちゃんと口の中に広がりました。
「着色料、保存料、香料ゼロなので、市販のものより風味が薄いかもしれません」と塩野さん。どんなにおいしいものも、安全でなければ意味がないと考えます。
その心意気で幅広く、地元に愛されている東村山アイスクリーム。ご年配のマダムたちがひとりでアイスを食べにくる姿が印象的でした。
書いた人
高丸昌子
国分寺の3㎞北(小平市)在住。子育てと激務の両立に悩み、昨年出版社を退職してフリーの編集者&ライターに。珍しいものは食べてみたいので「フェイジョア」「ポポー」、そして大好きな「梅酒」のアイスをお買い上げ。