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企業と地域がつながるためには:多摩未来協創会議はじまる

新型コロナウィルスで暗いトンネルに入ってしまったような昨今ですが、未来に向けての動きも始まっています。

3月18日に「多摩未来協創会議」 https://www.tama-mirai.org という新しいウェブメディアがスタートしました。企業がどのように社会に入っていくか?という、地域と企業の新しい関係を探る取り組みです。

このウェブメディアが生まれたきっかけは、昨年10月31日に日立製作所が開いたデジタル多摩シンポジウム。日立製作所が、今地域で課題となっていることを見つけ、技術を使って課題の解決方法を探りたいということで開催したシンポジウムでした。日立製作所の研究所がある国分寺市からだけでなく、多摩エリアで活躍する150人が集まりました。

これまで、研究所は自分たちの技術を他の企業に盗まれないように閉鎖的な環境で研究を進めてきました。しかし今は将来が予測不可能で不透明な時代です。企業が自分たちだけで必要と考えて動いても、消費者のニーズとかけ離れたものを作ってしまうことになりかねません。そこで、地域の課題に気づいて活動している人たちと対話して、課題解決の道筋の中で日立の技術を活用できないか提案していくことが重要ということになったそうです。

シンポジウムは一日のイベントでしたが、地域での活動をしている人と相談しあえる関係を築くには、イベントだけでなく日常的に活動していく必要があるということでウェブメディア「多摩未来協創会議」をスタートすることになりました。事務局を担っているのは株式会社ディーランド。

ウェブメディアのページは、人という字がいくつも現れて、人の字の集まりから「多摩未来協創会議」というロゴが浮かび上がってくる印象的な画面です。

発信するコンテンツは、

1.地域で活動する人へのインタビューを通じて、社会のきざしをとらえる「ダイアログ」

2.ダイアログを振り返りながら、地域×企業の問いを抽出する企業の社内会議「モノローグ」

3.協創プロジェクトの社会実装や事業化を前提としたオープンな会議「ミートアップ」

の3つ。

 

第一回の取り組みの「ダイアログ」では、300年続く国分寺野菜の魅力を広め、地産地消による地域活性化に取り組む「こくベジ」プロジェクトの高浜洋平さんと奥田大介さんに、日立製作所研究開発グループの森木俊臣さんと伴真秀さんがインタビューしています。

高浜さんと奥田さんにプロジェクトの生まれた背景、活動を継続して見えてきたものをお話しいただきながら、森木さんと伴さんが地域のニーズを探っていきます。

スーパーマーケットで生産者さんが誰かわかるようになっている仕組みも、実際の文脈から切り離されているのではないか。「こくベジ」では、農家さんと飲食店さんがつながり、そこから飲食店で食べる人に文脈がつながったことが活動の本質ではないかと洞察が生まれてきます。

左から高浜洋平さん・奥田大介さん(「こくベジ」プロジェクト)、森木俊臣さん・伴真秀さん(日立製作所研究開発グループ)

続いて、森木さんと伴さんがインタビュー内容を、日立製作所研究開発グループの佐野佑子さん、池田直仁さん、中村悠介さんに紹介する「モノローグ」。日立製作所の社内で、技術を提供することで地域の課題解決に貢献することはできないか議論されました。

技術の進展によって人が介在しないで済むサービスが増えていくけれども、人が介在することで伝わる価値もあるといった話から出発して、高齢者向けのサービスへと話が広がります。高齢者向けサービスに技術を導入しようとしても、サービスの受け手の高齢者の気持ちは人から伝えていかないと動きません。また地域での活動にあまり関係ないと思っている人たちが、自分ごとに感じられるようなしかけが見えてくると、自然と地域の活動への関わりが増えていくのではないかといった話も出てきました。

日立製作所研究開発グループのみなさん。左から、伴真秀さん・森木俊臣さん(前出)・中村悠介さん・池田直仁さん・佐野佑子さん

そして第一回のプロジェクトの「ミートアップ」は、4月21日19:00から21:00に開かれます。少人数で密度の濃い議論を展開したいということで5名の参加者を募集中。議論のテーマは、「もっと地域に住民が関われる余地をつくるには? ― 人の行動を変容させるシカケと持続可能な公共の関係 ―」。日立製作所と協創プロジェクトを実施したい人、社会実装を前提としたアイディアを練ってみたい人の参加をお待ちしているそうです。

新型コロナウィルスの拡大に伴ってリモートワークが広がっています。住宅のある地域で仕事をする人も増えていくように思います。住宅のある地域で仕事をする人が増え、地域で何かをしようとする人が増えれば、地域もより豊かになっていくように思います。ただ今回のような感染症といった事態もありえます。リアルなつながりとデジタルなつながりが並行していくことで、使い分けできるチャネルが広がります。地域の人と人の関係に技術が関わることで関係性の幅が広がるように思えます。

多摩未来協創会議 https://www.tama-mirai.org

 

書いた人 鈴木幹雄

企業に勤める生活を続けてきて、日本の企業を取り囲んでいる閉塞感もわかる気がしています。そんな状況を変えていくために、今までと違うアプローチで何が生まれてくるのか?多摩未来協創会議が地域をどのように変えていくのか興味津々です。

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