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「表現することは生きること」 NPO法人「小金井アートフル・アクション!」荒田詩乃さん 

アートフル・アクションは、小金井市内を中心に、企画展、イベント、講演、ライブなど、様々なアート活動を行っているNPO法人です。 

荒田詩乃さんは、3年前からスタッフとして展示やプロジェクトの企画や運営を担当しています。 

「KOGANEI ART SPOT シャトー2F」は、アートフル・アクションの活動拠点。ギャラリースペースの隣にある「でみカフェ」は、ランチを食べにくるママさん方で毎日賑わっています。

前職では、埼玉県富士見市の職員として芸術文化振興計画を作る仕事に携わっていたという荒田さん。市民が芸術や文化活動に親むことができるよう、街づくりの計画を立てていました。しかし、ある時街の人の意見を集めるワークショップで、中学生の女の子からこんな質問をされます。 

「どうして文化を大切にしなくてはいけないの?」 

荒田さんは、明確な理由を答えられないことに気が付きます。そこで、自分なりの答えを見つけようと、知人の紹介で参加したのが、小金井市にあるアートフル・アクションでした。アートフル・アクションは、小金井市の芸術文化振興条例によって設立されており、2009年から継続して活発な活動していることで有名でした。

2017年に小金井アートスポットシャトーにて行われた『Hi-Blood Pressure』展。ポーランドから招いた6人のアーティストと市民が共同で作品制作、展示中はワークショップを行いました。

荒田さんは、アートフル・アクションで代表の宮下さんに出会い、「視察のように一度参加しただけでは何もわからない。一緒に活動しましょう」と言われました。一度きりではわからない、という言葉に驚いた荒田さん。1年間インターンとして土日の活動に参加した後、転職を行いました。

アートフル・アクションでは、プロジェクトの活動は参加する人の意見を尊重しながら進められます。様々な人と出会いながら、街の人にインタビューを行ったり、小学生と図工の授業を行ったり。参加した当初、荒田さんはその「正解の無さ」に対し戸惑いも感じていたといいます。しかし、徐々に戸惑いとは別の気持ちが生まれたそうです。 

2019年3月に、小金井宮地楽器ホールにて行われた、『未来のタネ展』の様子。アートフル・アクションでは、毎年小学校との連携授業を行っています。小学生にのびのびと表現してもらえるよう、先生やアーティストと何度も話し合って準備をします。

「街の人に対するインタビューで、どんな人にも大切にしている思いがあることに気がつきました。

色んな人のあり方をまず受け止めてみよう、そう心持ちが変化したとき、荒田さん自身の肩の力も抜け、不思議と気持ちが楽になったそうです。 

 

「表現することは生きること」だと荒田さんは言います。

また、荒田さんは、表現はいわゆる芸術活動だけではないと語ります。例えば、毎日どんな服を着るのか、どんなことを話すのか、どんな服を着るのか。

私は、趣味でギターを弾いています。ギターを弾くことは、自分の憧れを表現することです。在りたい姿を表現するという点では、自分の行動を選ぶことは全て表現だと言えるかもしれません。「表現することは生きること」というのは、生きていて大変なことも、頑張ろうと思える、前向きな言葉だと思いました。

女の子の問いはずっと心に残っており、今も答えを探し続けているのだと荒田さんはいいます。

私はアートフル・アクションの展示を初めて見たとき、複数の作品それぞれの素材、形、大きさ、の違いに、鳥肌が立つような興奮を感じました。作った人の癖や、人間くささを感じたためです。実際に目にすると、一つ一つの作品から、熱量が伝わってくるはずです。是非一度、展示に足を運んでみてください。

NPO法人 アートフル・アクション:HP   https://artfullaction.net/

書いた人 芦谷日菜乃

柔らかい笑顔が素敵な荒田さん。ついつい色々な悩み事を聞いてもらいたくなってしまいます。インタビューをさせていただいたのは、私が大学四年の春、進路に悩んで焦りを感じていた頃でした。自分の「気になる」という気持ちを信じて進めば、どの道も正解だ、と背中を押してもらえた気がしました。

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